かつお節

全国鰹節(かつお節)探訪

山川水産加工協同組合参事 野村重明氏をお訪ねしました。

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山川水産加工協同組合参事 野村重明氏をお訪ねして、山川における鰹節製造について、
業界のお話をお伺いすると共に、新しくなった「オカカ7型」の電動装置をご紹介させていただきました。

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自然豊かな錦江湾に面した、いぶすき山川は、琉球貿易や、遠洋漁業の基地として栄えてきました。古くから、カツオの町としてもよく知られています。土佐、宇部、焼津などからやって来た人たちが多く移り住んだ町でもあります。

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昔は、季節労働者として、秋から春まで水揚げされたかつおを加工し、焙燻したものを持ち帰ってかび付けをしていました。山川で「生切り」→「煮熟」→「骨抜き・修繕」→「焙乾」まで作業したものを土佐に持ち帰って「表面削り・修正」→「カビ付け」を行い、秋になるとまた山川に戻るという生活を、毎年のように繰り返していたそうです。

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当地に定着するようになったのは、山川に工場が出来てからです。明治時代から始まった鰹節の製造は、素材本来の美味しさを引き出し活かす製法で、受け継がれてきた伝統の技が今なお息づいています。

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以前は、近海の船がかつおを捕って帰ると、一晩中生切りをして、それこそ一日中忙しく作業していたそうです。そのうち船に冷凍設備がつくようになり、遠方にも捕りに行けるようになりました。陸の方も冷凍設備が完備されて、作る量も調整できるようになり、フル稼働が出来るようになったので、季節労働の必要もなくなりました。現在では、南方漁場までかつおを捕りに行っています。

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当組合は昭和5年に、鰹節類製造業者を中心とした山川港地域の水産加工業者で組織され、いろいろな変遷を経て、昭和50年に、さつま鰹節加工業協同組合(昭和42年設立)と山川鰹節水産加工業協同組合(昭和32年設立)が合併して、現在の山川水産加工協同組合になりました。設立時は81業者、平成20年現在では、31業者の組合員が、日々鰹節類の生産に励んでいます。

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山川の場合、現在の生産量は荒節が全体の8割を越えています。仕上げ(カビ付)までした鰹節は、12~13%ぐらいです。あとは、味付け節といって、しょう油や味噌の加工をしたおみやげ物屋やさんで売っているような物ですね。そのほか、特別に沖縄行きというのも作っています。はだか節といって、焙乾した途中に出る油脂分をデバという小刀で削って取り除いた、カビ付けする前のものを沖縄に送っています。

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荒仕上げ節はカビ付ですが、成型時に見た目をあまり重視しないで製造します。味は本節に比べて劣ることはありませんから、パックの「花かつお」として販売するのに適しています。山川産のかつお節のうち、本枯れ節は主に関東へ、裸節は主に関西に、問屋を通して出荷されています。現代人の高級志向のニーズに応えられるかつお節として、山川産の節は全国で使用されています。薫り高い風味と味わいをお楽しみください。

課題と今後の展望 について伺いました。

平成19年度は、少し鰹節の生産が落ちましたね。理由の一つとして、バンコクあたりで作られている鰹をフレークにしてオイル漬けや味付けした「缶詰」の生産が増えているからです。最大の消費先はアメリカで、最近はヨーロッパにも行くようになりました。狂牛病や鳥インフルエンザの影響で肉離れして、サーモンとか鰹の缶詰とか、魚を食べるようになったからです。缶詰は作れば売れる状態で、鰹の値段もどんどん高騰していきました。かつお節の原料が少なくなって、浜値も上がったのに、製品としての鰹節の価格はそんなにも上げられないので大変だったのです。しかし、昨年のリーマンブラザースショックの影響をうけて「缶詰」の生産が急に止まりました。生産過剰ぎみになって、原料の鰹がどんどん余り冷凍倉庫に入り切らなくなっている状態です。

それから、昨年は8000トンほどインドネシア・フィリピン・中国などから大量の原料になる荒節が入ってきているので、少し驚異になっています。値段がすごく安い、かなり大量の原料になる荒節を輸入してくるので、国内の生産者を圧迫しかねない。
加工時に輸入物を混ぜたり、荒節で輸入してからカビを付けたり・・・
我々としては、最近、原産地表示が厳しくなってきたので、注意深く見ていこうと思っていますが、国内でカビ付けした物であっても輸入した材料であることを表示して欲しいと国には要望しているところです。
どのぐらいの量を加工しているのか検証するすべがないので困っています。

将来心配になるのが、マグロの総量規制ができると、マグロとカツオは同じ網に入ってくるので、カツオも捕れなくなるのではないかということです。カツオだけを追っかける船が有ればいいのですが、カツオとマグロは一緒に泳いでますからね。まき網船が32隻~33隻ほどありますが、そのうちの半分ぐらいがマグロ船団なんですよ。夏場から10月ごろまでマグロを追っかけて仙台沖から北海道の東方に出かけ、11月からは南方へ向います。翌5月にかけて水揚げが増えるので、この時期に冷蔵庫に余裕があってストックできればいいのですが、昨年はその両方で水揚げが増え、冷蔵庫が足りないタイミングが出てしまいました。冷蔵庫に入りきらない過剰分は、生産を増やすしかないのです。そうすると製品がだぶついてきますので、その辺はある程度調整しながらやっています。

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